大原アシスト 2020/04
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3.保証業務 ― 税理士は、税務書類の信頼性を保証する専門家である決算書等に対する保証業務が公認会計士の独占業務であるのと同様に、税務書類に対する保証業務は税理士の独占業務です。税理士法の第33条の2には、「税理士又は税理士法人は、租税の課税標準等を記載した申告書を作成したときは、申告書の作成に関し、計算し、整理し、又は相談に応じた事項を記載した書面を申告書に添付することができる」とあります。税理士は、税務書類に「税のごまかしや間違い等はありません」と証明して書類を付けることができるのです。日本には290万社の企業がありますが、この書類を付けている企業はわずか9.5%です。り、これらの会計業務を担っている税理士もいます。公益法人や社会福祉法人の会計には税務は関係ありませんから、税理士でも税務に関係なくサービスを提供しているわけです。また、お客様の経営者には、帳簿をご自身で付けていただき、複式簿記のセンスを身に付けてもらうことが大切です。ドイツではなぜ、個人事業主にまで商業帳簿の作成を義務付けているのかと言えば、自らの経営をしっかり把握してもらうためです。数字を見て経営すれば、経営は良くなります。TKCに所属する会計事務所が見ている数十万の企業の黒字率は、平均よりも約20%も高くなっています。会計をしっかりやれば経営は良くなる証拠です。「会計が会社を強くする」と言っているのは、そういう理由からです。4.経営助言業務 ― 税理士は、会計の知見で経営のアドバイスを行う専門家である税理士は日本の法人企業の約9割に関わっており、顧問先の経営のことを全部分かっていますから、税理士こそが経営コンサルタントになれるわけです。以前に委員として参加した中小企業政策審議会で私が強く主張したのは、「会計で会社を語れる経営者をつくることが、中小企業を強くする秘訣だ」ということです。そして、できあがったのがこの基本骨子です。経営支援を商工会議所だけでなく、税理士にも任せてくださいということです。地域金融機関と税理士が連携し、その中心に、中小企業のための会計基準を策定した「中小会計要領」があります。この基本骨子をベースにできた法律が「中小企業経営力強化支援法」です。この法律のもとで経営革新支援を行う認定機関の約9割が税理士事務所です。税理士は経営助言業務を行うことを、法律で認められているということです。4大業務が重なり合う税理士業務は、まだまだ伸び代がある4つの業務は、それぞれが独立しているわけではありません。会計をしっかりやれば経営は良くなりますし、保証業務をやれば経営助言もできるなど、それぞれが重なり合っています。そして、それら4つの業務の真ん中には会計帳簿があります。つまり、仕訳です。仕訳というのは神聖な業務で、複式簿記のポイントは仕訳です。仕訳のチェックがきちんとできれば、4大業務はすべてできます。仕訳がしっかりしていれば、決算書も正しくなります。4大業務の推進は、税理士だけの特権です。監査業務と非監査業務の同時提供を禁止されている公認会計士とは異なり、税理士は4つの業務を同時提供できます。逆に言うと、同時提供しないと日本の中小企業を支えていけません。税制、経営、財務、金融等の支援業務は、すべて税理士の業務に入ってきています。無尽蔵に広がっていく税理士の可能性を、ぜひみなさんにも理解していただきたいと思います。図 「中小企業経営力強化支援法」の基本骨子16

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